【Wildflowers Letter vol.5】買って、読んで、観て
こんにちは、調子良くなった詐欺師ことミホ子です。
謎の多忙
前回のニュースレターで、薬を調節したら調子が良くなった!これからはガンガン配信できそう!みたいなことをほざいていたくせに、これが今月二本目の配信だとは。何事。
苦しい言い訳をさせていただくと、ここ三週間ぐらい予定が詰まりすぎていてめちゃくちゃ忙しかったんですよ。いや、無職で自宅警備員のお前がなに抜かしとるんじゃって感想なのはよく分かるんですけれども……。でも、ありがたいことに本当に忙しくさせていただいて。人生のターニングポイントを乗り越えた感もありますし。いや、もういいですね。そんなことよりも今日からまたがっつり書いていきたいと思っている所存です。
iMac購入
このがっつり書くぜ宣言の裏にはきちんと根拠があるのです。実は何を隠そう、この度iMacを購入したのです。わー、パチパチ。画面大きいー。かっこいいー。今まで2013年に買ったMacBook Airを使っていたのですが、ソフトウェアもアプリもサポート終了していて、どうしようと思っていたときに思いついてしまったこのiMacという選択。しかし2021年以降の小綺麗なデザインが好きになれない…わしはIntelチップ時代の無骨なデザインが好きなんや…。ということで、中古で買ってしまいました。今日届いたのですが、最高ですね。お値段も半額で済みましたし。これがあと何年動いてくれるかだけが心配ですが、末長くよろしくお願いしたいものです。これでテンションも爆上がりで執筆に集中できるってもんです。
わたし、iPhoneユーザーのApple Watch持ちのAirPods Pro愛用者で、さらにこのiMacって。気付いたらすごいApple信者ですね。眼鏡もスティーブ・ジョブスと同じものを使っているし。普段着を制服化するのもめちゃくちゃ共感できるし。ジョブスの自伝とか読もうかしら。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
最近読んだ本のレビューです。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』、新書大賞とりましたね。有言実行ですごいな三宅さん。同い年なんですよね、94年生まれ。94年生まれといえば、大谷翔平さんやら羽生結弦さんやら、スポーツ界では黄金世代なんですけど、意外と文学界もイケイケな年代なんですよね。くどうれいんさんも94年だったはず。くぅ〜、痺れるぜ。
この本は、さくっと要約すると、人間働きすぎていて本が読めなくなっているから、身半分で働いて、余暇を楽しむ余裕を持とうぜっていう内容でした。本に限らず、趣味ができなくなっている人にも響くと思うし、日本の労働史と読書史を並行して辿っていくのも圧巻でしたし、これは売れるだろうなぁと思いましたね。
ただ、今のわたしにはあまり得るものはなかったかなぁと。まぁ、そもそも働いていないし、いや、それは関係ないな。なんでかといいますと、この論の結末が「半身で働きましょう、そうでないと鬱病になってしまいますよ」という締め括りだったんですよね。いやいや、もうなってますがな〜。その最悪とされるパターンにすでに陥っている場合はどうしろと。とまぁ、本当に笑けてきちゃいまして。なんか、自分はこの本の対象じゃなかったんだなという感想を抱くのが初めての体験だったもので、少々ショックだったというのが正直な感想です。わたしは想定されていない読者だったんだ、と言いますか。なかなか寂しいものですね。
とはいえ、これだけ売れに売れているので、ぜひみなさんの感想も聞きたいです。よかったら、コメントください。
5年前に読みたかった…
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私』
打って変わってめちゃくちゃわたし好みだった映画です。
物語の主人公は、ジョージアの小さな村で日用品を売りながら一人で暮らすエテロ、48歳。そんな彼女が臨死体験をしたのをきっかけに、様々な出来事に見舞われることになる。生い立ちのトラウマ、小さな村での人付き合い、初めてのセックス。身内が皆亡くなり、文字通り独り身となった彼女は村を出て一人自由に生きることを夢見るが、その折に身体に不調が見られ病院に行くことに。そこでまさかの診断がされる。彼女はどのような選択するのか。わたしたちには答えを出せるのか。
※以下ネタバレあり
エテロの孤高で痛快な生き様とラストに突きつけられる不条理さに眩暈がする、そんな映画でした。このラストをどう解釈するかは人それぞれですが、あれだけ一人で生きていくことに誇りを持っていた彼女が迎えるクライマックスとして、わたしはあまりにも残酷ではないかと思えてなりません。結局女は子供を持つことが幸せなんだろう、どれだけ威勢をはっていても最終的には一人で生きていくことなんてできないんだろう。そんなことを言われたような気になりました。そんな固定観念を跳ね除け、一人で生きていくことの豊かさを証明していく彼女の生き様が眩しく、自由で、美しかっただけに、理想と現実の落差に上映後も心臓がバクバクと鳴り止みませんでした。女性が一人で生きていくのは、こんなにも難しいのか。独身女性の人生の二面性を描いた本作の革新さは個性豊かな登場人物たちにも現れています。協調性が乏しく、唯我独尊なエテロ、陰湿だけどどこか憎めない村の女性たち、都会のレズビアンカップルなど、本当に様々な女たちが登場します。個人的にはそれだけで心躍るものがあります。なにより、エテロ役エカ・チャヴレイシュヴィリ氏の誰にも媚びていない、あの気高いまなざしが忘れられない。忘れたくない。観た後、エテロのこれからを、そしてわたしたちのこれからを語りたくなる映画です。
これは『鳥展』で見つけたブラックバード
今回のニュースレターはこんなところでしょうか。また次の配信でお会いしましょう。またね〜。
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