【Wildflowers Letter vol.18】まだまだケツの青い女でございます

これからの人生の土台づくりだったのかな、なんて思ったり。
三島ミホ子 2025.06.27
誰でも

 こんにちは。いつだってわたしの人生の最前線、ミホ子です。

 そろそろイギリス紀行にも飽きてきた(自分が)ので、今回はまず別の話をちょろっと。

人生のポートフォリオ

 先月31歳の誕生日を迎え、華々しく30代を突き進みはじめているわけですが、このくらいの年齢になって新しい環境に身を置くと、これまでの人生が名刺代わりになっているような感覚を覚えます。

 それは職場で感じたり、久しぶりに会う人に対して思ってしまったり。話していると、これまでどんなことを成し遂げ、築き上げてきたのかを問われるような気がしてしまうのです。多分わたし自身が積み上げてきたものがないと思っているから敏感になっているだけなのかもしれませんが、とにかく社会人になってからの約十年間をどう過ごしてきたのかを話すのがとても苦手です。体調崩したことで自分で敷いていたレールから外れてしまったことにまだまだ引け目を感じているのかな、分からないですけど。

 つまり、自己紹介するのが得意ではないんですよね。わたしが選んできた選択肢を精査される感じがして。

 そんなの関係ない場所に行きたい。人生のポートフォリオが必要ない世界はどこ。何かしていないといけないのか。誇れるものがないといけないのか。目に見える成果がないといけないのか。みんな俺のことは忘れてくれ。

 まぁ、なんでこんなことを考えているかというと、また新しいことを始めようかななんて考えているからなんですけど。それがなかなかチャレンジングなことな気がしていて、絶賛悩み中です。色んなことに手を出しすぎかなー。そもそも自分のキャパを見誤っているかなー。でももう面倒なことは抜きして生きていきたいんだよー。自分の快適さを優先したいんだよー。

紫陽花が綺麗だなぁとだけ思って過ごしたい。

紫陽花が綺麗だなぁとだけ思って過ごしたい。

 まぁ、その前にやるべきことがあるので、まずはそちらに注力すべきなのは分かっとります。わたしは迷ったり悩んだりしたときに内なる宇多田ヒカルを呼び出して、ヒッキーならどうするか、相談したらなんて答えてくれるかなと考える癖があるのですが、新しいことに手を出す前にまずは本当にやりたいことをもっとやるべきじゃない?という声が聞こえます……。

 他人ではなく、自分が自信を持って納得できる道をいきたいわん。

オペラハウスに涎を垂らす

 紀行文を長ったらしく書くのは良くないですね。勉強になりました。まだ三日分しか書けていませんが、ここからは早送り気味にお送りいたします。

 まず、時は遡りまして5月30日のことです。この日はHとロンドン自然史博物館へ。

いや、建物の厳かさよ。

いや、建物の厳かさよ。

 恐竜エリアで思いがけず興奮しました。興奮しすぎて写真は一枚もありません。やっぱりデカいものを見るのはいい。元気が出る。そのほか鳥の大量首チョンパ剥製にビビったり、貝類の化石を見て来年はイタリアで牡蠣を食べまくろうと約束したりするなどして退館。これが無料だなんて太っ腹が過ぎます。

 夜は人生初のオペラ鑑賞!これまたとんでもなく歴史を感じさせる荘厳なオペラ・ハウス!

わたし貴族だったかな?と思うほどの豪華絢爛さ。

わたし貴族だったかな?と思うほどの豪華絢爛さ。

演目はゲーテ『ファウスト』だったのですが、二人で予習しても時代感が違い過ぎたのかあまり意味が分からず!でも歌や衣装、オーケストラの生演奏が楽しみ!……しかし、ここで事件は起きます。

 ワタクシ、開始10分でぶっ倒れました。

 立ち見席だったんですよ。なので立っていたのですが、急に猛烈な眩暈に襲われて、あ、やばいかも……なんて思っていたら、次に気がついたときは床に涎を垂らしながら倒れていました。一瞬どこにいたのか忘れていて、且つやけに目覚めが良かったのであれ寝てたんだっけとポヤポヤしていると、暗がりの中たくさんの大人に囲まれていてあらびっくり。合点のいっていないとぼけた顔をしていたのでしょう、Hが「急に倒れたんだよ」と教えてくれて、またびっくり。

 介抱してくれた救急の人(?)に「何か食べてきた方がいいよー」と言われ、無念の退場。入口の受付の人に「I'll be back.」とサムズアップまで決めたのですが、近くのステーキハウスで肉を食らっているうちになんだか焦って戻るのもなぁと思い、そのままアイス食べて帰宅しました。体調が悪い、疲れている自覚は一ミリもなかったのですが、ちょっと予定を詰め込みすぎましたかね。反省。Hにも迷惑をかけて申し訳なかったです。そしてしばらく左尻が痛かった。頭からいかなかったのは不幸中の幸いですが。

 とか言いつつ、次の日からもフリーマーケットに行ったり、ヴァギナミュージアムで自分へのお土産を爆買いしたり、ミートパイを食べたり、Daunt Booksに行ったり、美術館を巡ったりしていたので、やっぱり元気は元気だったんだと思います。オペラに興奮しすぎた説。

 そうだ、National Portrait Galleryが面白かったです。その名の通りたくさんの肖像画が展示されている美術館なのですが、そこでエミリー・ブロンテやヴァネッサ・ベルの肖像画を観ることができたのが嬉しかった。

一見儚げだけど、目はキマっている。

一見儚げだけど、目はキマっている。

やっぱりウルフと似てますよね、さすが姉妹。

やっぱりウルフと似てますよね、さすが姉妹。

 中でムンクの企画展もやっていたのですが、チケットのお値段が全く素敵じゃなくて断念。観たかったなぁ。

 もちろんNational Galleryにも行きましたが、わたし宗教画はあまり興味ないな…ということに気づきました。ちゃんちゃん。あと、このめちゃくちゃ近くに噂のビッグベンがあったらしいのですが、全く知らずにスルー。それなら足を伸ばせば良かった。

 次回バースとMonk's House(ヴァージニア・ウルフの家)のことを書いたらこのイギリス旅行記は終わる予定です。あともう少しだけお付き合いくださいまし。

 あ、そういえばこれが2025年上半期最後のニュースレターになるかと思いますが、特に振り返ることもなく終わろうと思います。いや、軽く振り返ると案外色々なことをやっていたので及第点はあげたいですかね。年初めからこのニュースレターを、2月にはPodcastを、4月には新しい仕事を始め、5月はイギリス旅行に行っているので、かなり精力的な半年でした。なんとなく、これからの人生の土台づくりだったのかな、なんて思ったり。

 ではまた次回。バイバイビー。

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