【Wildflowers Letter vol.34】ただの私でしかない
こんばんは。最小量で最大限の栄養価が摂れる食事を追求中のミホ子です。
玄米に雑穀を混ぜたり、酵素玄米を炊いてみたり、ブロッコリースーパースプラウトとクレソンでサラダを作ったりしてます。調子乗ってますよね。でもなんか楽しいんです。栄養をちゃんと摂れてると少量でも結構満腹感があるんですよ。身体って理にかなっているなぁ。美しい。
外から名付けられても、わたしは変わらない
もう5月も終わりますね。ちょいと早すぎやしませんか。今月はラモトリギンという薬を新しく処方され、二週間後に39度の発熱と全身に発疹が出てヒィヒィ言うてた記憶しかありません。薬疹というやつですね。おかげさまで今はもう全快していますが、運が悪ければ総合病院とか大学病院で1ヶ月以上入院しなくちゃいけなくなる可能性もあったらしいので、不幸中の幸いです。薬ってこわい。
そのラモトリギンという薬はいわゆる気分安定剤なのですが、つまり主治医はわたしを双極性障害の傾向が強くなったと判断したらしいです。
それを言われた直後はわりと落ち込んで、その後取り乱しましたね。なんか、うつ病よりもやっかいなイメージがあったので。でも、今は全然大丈夫です。なんというか、いまさら新たな名前がついてもわたし自身は変わらないことに気づいたと言いますか。
精神疾患だけでなく、人間関係とかいろんな自認においても言えることだと思いますが、目に見えないものに名前がつくと安心することってよくあるじゃないですか。こういう病気だから動けないんだ。わたしのせいじゃないんだ。わたしたちこういう関係性なんだ。わたしってこういう傾向があるんだ、とか。それってとても救いだし、すばらしいことだと思いますけど、今のわたしはそのフェーズではなくて。自分の状態をよく知っているから、もう外から名付けられてもなにも変わることがない。明日からなにか体調に変化があるわけでもない。明日も今日までの自分の地続きでしかないことをよく分かっているから、今はいい意味で名前に縛られることなく過ごしていける状態だなと感じています。
結局なにが自分を自分たらしめるのかっていう話だと思うのですが、それってわたしにとっては周囲からの目や環境ではなく、やっぱり自分が在ろうとする自分でしかないんですよね。めちゃくちゃ自分軸で生きている&実行こそすべてなストロングタイプの人間なので、逆に、自分が好きな自分を目指さない人生って生きてて楽しくなくない?他所様は関係なくない?っと思っている節が多分にあるせいだと思います。別に全員もっとバキバキに生きろって話ではなく、その人の居心地のいい生活を追求していこうぜってことが言いたく。そのためには自分を知ることはもちろん、言葉であったり、意思であったり、行動が必要になってくるわけですが、それをひとつずつ拾い集めていく作業が人生な気もします。
つまり、みんなもっと自分に集中していこっ!ナルシストになろっ!ってことです。
※もちろん主治医の指示はちゃんと聞いてますので、大丈夫です。わたしは至極真面目な患者です。これからも二人三脚でトライアンドエラーしながら、この症状と並走していく所存です。
オノ・ヨーコになりたかった19歳
先日『パワー・トゥ・ザ・ピープル:ジョン&ヨーコ・ライヴ・イン・NYC』を観てきました。1972年にマディソン・スクエア・ガーデンで開催された知的および発達障害を持つ子どもたちのためのチャリティコンサートであり、ジョン・レノンがビートルズ解散後に行った最初で最後のフルライブ。そのライブをショーン監修のもと、最新技術を駆使した映像と音響で観られるとのことで、行ってきました。
もう、すごかったです。本当に今NYでライブしているのを中継しているんじゃないかってくらいの没入感。高校生の頃、自転車に乗りながら繰り返し聴いていたあの声が実体を持って存在していたことへの感動。「Imagine」を歌うジョンの頬につたう汗が涙に見えて、こちらまで目頭が熱くなりました。
そして個人的にはなんといっても、オノ・ヨーコですよ。高校卒業後の19歳、人生に退屈していたわたしが憧れていたのが彼女でした。はじめは若かりし頃の彼女の風貌に魅了されただけだったと思います。なにも映していないようで、なにもかも見透かしているような大きなアーモンドアイ。ぴっと一文字に結ばれた口元。シャーマンを彷彿とさせる長くウェーヴがかったワンレンロングヘア。とにかくすべてが最高にクールでした。
その後、彼女の本を読んでまた違う面で惹かれるようになりました。世界中からバッシングされながらも自分を曲げることなく、芸術家として、フェミニストとして毅然とした態度を貫く彼女にもっと深い部分でのリスペクトを感じるようになったのです。
そんな彼女のライブパーフォーマンスは、31歳のわたしをさらに熱狂させるものでした。衣装は白のパンツとタンクトップ、大きなサングラスといつもの一文字の口だけ。垂れた乳と浮き出る乳首。処理されていない脇毛。現代のフェミニストかと思いました。分かりやすくジョンの曲に熱狂する観客に一切媚を売ることなく、すべての歯を剥き出しにして彼女特有のシャウトを披露する姿にわたしゃ心底惚れ惚れしましたよ。
そんな彼女がステージ上で笑みを見せるのは、ジョンとちょっとしたアイコンタクトをとったときだけ。はぁー、どこまでチャーミングな人なんだ。ときめきがわたしの心臓を貫きました。
そんな彼女も御年93歳。今の世の中か彼女にはどう見えているでしょうか。もし身体が自由に動いていたら、なにをするでしょうか。ジョンとともに平和と反戦を訴え続けた彼女は、きっと世界中を飛び回って声をあげたに違いないでしょう。僭越ながら今の自分に重ねてしまいます。彼女はいつまでもわたしのロールモデルです。
それにしても、日本ではオノ・ヨーコの名前は知られてはいるものの、ジョン・レノンの妻というイメージしかないんだなと折に触れて思いますね。いや、それは日本だけではないか。わたしも相手の反応が鈍いとついジョン・レノンと結婚した人だよとか言ってしまいますし。彼女の前衛芸術家としての活躍が知られていなさすぎる。ということで、わたしが好きな彼女のアートワークを少し紹介しようと思います。
「天井の絵/イエス・ペインティング」


彼女の作品は基本的にポジティブなものが多いと思います。厳しい現状の中でも希望はある、そんなことを思わせてくれるのです。これもそんな作品のひとつです。本作は1966年にロンドンのインディカ・ギャラリーではじめて展示されました。梯子を上り、拡大鏡をのぞいてようやく見えるのが「YES」。この一言が意味するものは、見た人の数だけ存在すると思います。わたしがこの作品をはじめて知ったときは、このままのわたしでいいんだと自分の存在自体を丸ごと肯定されたような気がしました。
わたしの削ぎ落とされた言葉で最大火力を放つ女フェチ(宇多田ヒカルや今村夏子etc)は、これにも通じますね。いつか生で見てみたい作品です。
「カット・ピース」

先日、ツイッターでマリーナ・アブラモヴィッチという女性アーティストが1972年に行ったパフォーマンスが話題になっていました。彼女はただステージ上に立ち尽くし、観客に何をしてもいいと言います。彼女のそばに用意された72の物体を使って、観客たちは彼女の服を切り裂き、肌に触れ、刃物で彼女の体を傷つけはじめます。6時間後、アブラモヴィッチが観客に向かって歩きはじめると、人々は散るように逃げ出しました。
実はこのパフォーマンスに影響を与えたのがオノ・ヨーコです。1964年に彼女が行った「カット・ピース」と呼ばれるパフォーマンスは、鋏を持って壇上にのぼったヨーコが観客に洋服を切り取るように指示し、あとは正座をしてじっと待つというものでした。最初は申し訳程度に洋服を切り取る程度だったのが、次第に過激化。洋服は大きく切り裂かれ、ある男は鋏をヨーコの頭上に振りかざします。
そこから見えてくるのは、人間は条件次第でいくらでも残虐になれることではないでしょうか。一般市民が戦地では人を殺せるのと同じように。ここぞとばかりにはやし立てるメディア、カメラの存在にさらに過熱していく観客。ヨーコは人間の性をあぶり出したのだと思います。
「エクス・イット」

男性用60個、女性用30個、子供用10個の合わせて100個におよぶ木製の棺からなる本作。本来は最後の対面時に開かれる窓から伸びる樹に観客が見るのは、生命や自然の輪廻。死は悲しい。ですが、確実に次の生命につながっている。やはり希望はあるのだと思います。そんなことを思わせてくれる作品です。
個人的な話ですが、わたしは死んだら樹木葬にしてほしいと家族に伝えています。遺骨を土に埋め、そこに樹木を植える埋葬のかたちです。クジラの鯨骨生物群集(遺骸が海底に沈み、数十年にわたって多様な海洋生物の養分や住処となる生態系のこと)を知って以来、その死に様に憧れ続けているわたしが見つけた最も理想に近しい埋葬方法だと思うのです。その考えと似たスピリットを見た気がして、ヨーコに強いシンパシーを感じた作品です。
2024年にロンドンのテート・モダンで開催された回顧展、行きたかったなぁ。来月行った時に図録がまだあれば絶対買うんだから。日本ではソフトカバー版しか取り扱いがなかったから、絶対ハードカバー版で買うんだから。
今回のニュースレターで何回「自分」とタイプしたんだろう…。どこまでも自我が強すぎる。では今日はこの辺で。また次回。
Mihoko’s Recommends. ݁₊ ⊹ . ݁˖ . ݁. ݁₊ ⊹ . ݁₊ ⊹ . ݁˖ . ݁
このニュースレターでオノ・ヨーコに興味を持ってくれた人にプレゼントしたい一冊。
新曲「パッパパラダイス」のプロモーションで日本に来てくれた我がミューズに感謝。
作品のメッセージと昨今のSNSカルチャーの皮肉な関係につまされた。
本日19:30より!国会正門前集合です!せんそうはんたい!!
すでに登録済みの方は こちら