【Wildflowers Letter vol.29】つまり、無計画なビッチ

やれる範囲のやりたいことだけやって、やれる範囲のやらなくてはいけないことは少しだけやる。
三島ミホ子 2026.01.01
誰でも

 新年あけましておめでとうございます。手綱こんにゃくを仕込み終え、ボレロを聴きながらこれをしたためている大晦日のミホ子です。

 2025年元旦の初配信から丸一年。なんとかこのニュースレターを書き続けることができました。ひとえに読んでくださる皆様のおかげです。ありがとうございます。2026年も引き続きポツポツお届けする予定ですので、よしなに願います。

2026年の目標

 わたしは何でもリスト化するのが好きで、毎日のtodoはもちろん、読みたい本や観たい映画、いつかは手に入れたいものなどをリスト化してはチェックを入れていく作業が日々の楽しみと言っても過言ではありません。あと、計画を立てるのも好きです。勉強、旅行、料理、掃除、ノートの使い方などなど、基本的に何かをするときは計画を立ててから取り掛かるタイプです。特に年末年始は一年の目標やらウィッシュリストやらをつくるのが楽しくて仕方ありません。

 しかし、ここ最近カウンセリングを受けるなかで、この習性がわたしの健康に少々悪影響を及ぼしている可能性が浮上しました。そんなバナナ。どういうことかと申しますと、立てた目標や計画が達成できないこと、またはそこに向かって努力できないことに非常にメンタルを乱されており、それが体調の波の不安定さにつながっているのでは、とのことらしいのです。確かに、この二ヶ月は動けるときに猛烈に稼働してtodoを消化し、しばらくすると電池切れになって数日寝込むというサイクルが常態化しており、加えて、ただでさえ抑うつ状態なのに、計画通りにできない自分に追加で自己嫌悪するという負のスパイラルに陥っていました。テヘ。カウンセラー曰く、こういった振れ幅の大きい波を繰り返すことは、体調の改善を目指すうえでも良くないようで、まずは毎日の活動量を一定にすることを意識していきましょうとの助言をいただきました。というか、調子がいいときに立てた計画に調子が悪くなったときに苦しめられるなんてこれまで幾度となく繰り返し、反省してきた悪循環ですよね……。また同じ穴に落ちていることを人に指摘されるまで気づけないとは、我ながら律儀なまでに阿呆です。

 そこでミホ子はひらめきました。来る2026年の目標は「目標を立てないこと」にしよう、と。なかなか良くないですか?目標を立てて苦しくなるなら、目標を立てなければいい。なんて単純明快な解決策なのでしょう。ウィッシュリストも今年はつくりません。もう、粛々と生きるのみです。もともと他人に期待しない主義者ですが、2026年は自分にも期待しないでいこうと思います。一見さみしいように思えますが、要するに勝手に決めたマイルールにがんじがらめになることなく、もう少し楽に生きようぜということです。やれる範囲のやりたいことだけやって、やれる範囲のやらなくてはいけないことは少しだけやる。根が真面目なので、つい色々頑張りたくなってしまうのですが、人生はもっと適当でいいのでは。なんか、オラわくわくすっぞ!

 とか言いつつ、気づいたら月ごとの課題図書なんてものを決めているので、本当に油断なりません。まぁ、それくらいは許しますか。

ミホ子に気をつけろ!

 ユーロスペースのホン・サンス特集しかり、東京日仏学院のクロード・シャブロル特集しかり、涎が出る勢いで観にいきたい案件が多発しており、久しぶりに映画欲が高まっています。先日は渋谷のBunkamuraル・シネマでネリー・カプラン『シャルルとリュシー』を観てきました。初めましての監督さんだったのですが、上映後に敬愛する山崎まどかさんと野中モモさんのトークショーが行われるとのことで、これは間違いないと即チケットをポチりました。結果、最高of最高でした。想像していたのと全然違うテイストの作風で、非常にいい意味で裏切られました。

100点満点のポスタービジュアル

100点満点のポスタービジュアル

 とある老夫婦が詐欺に遭ったり、警察に追われたり、身ぐるみ剥がされたりしながらも二人の強い愛と絆で乗り越えていく、しっちゃかめっちゃかなロードムービーなのですが、これがもう笑えるやらジーンとくるやらであっという間な二時間でした。主演二人の身体を張った芝居も素晴らしかったですし、絶妙な温度感のユーモアが終始散りばめられていて、よくあるお洒落フランス映画とは一線を画している作品だと思います。舞台が南仏というのもすごく良かったです。洗練されすぎてなくて、でも海をはじめとした自然豊かな土地柄が、可笑しくも壮大な夫婦の物語をよく体現していた気がします。

 なんと言いますか、珍しく人生に刺激がほしくなりましたね。もっと冒険したいな。めちゃくちゃになってみたい。

 今回のネリー・カプラン特集で上映されている他三作品ももちろんチェックしたいですし、『落下の王国』『おくびょう鳥が歌うほうへ』『世界一不運なお針子の人生最悪な1日』『小川のほとりで』『ポンヌフの恋人』あたりも観ようと思っているので、今月は足繁く渋谷に通うことになりそうです。数年ぶりに映画館をハシゴする可能性すら出てきました。忙しや忙しや。もしお付き合いいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡くださいましね。

 あ、あと最近観た映画ではギレルモ・デル・トロ監督の『フランケンシュタイン』も良きでした。同監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が好きな人は絶対好きなやつです。ネタバレは控えますが、クリーチャーの特出した美しさはぜひお伝えしておきたいところです。なんでしょう、見た目だけの話ではなく、彼の内面の清らかさや純朴さが相まってとても美しい存在として描かれているんですよね。そういった点はさすがのデル・トロ監督です。そんなクリーチャー役のジェイコブ・エロルディは今年公開予定の『嵐が丘』でマーゴット・ロビーと一緒に主演を張っているらしく、これはもうわたしが2026年を生きる理由です。ちなみに、フランケンシュタインはクリーチャーの名前ではなく、彼を生み出した研究者の名前です。スリムクラブのネタの影響で勘違いしてしまいますよね、分かります。

久しぶりのフラワーハントはヒメツルソバ

久しぶりのフラワーハントはヒメツルソバ

 いつもより短めですが、お正月ですし、皆さんもお忙しいと思うので、今回のニュースレターはこの辺で終わりにしたいと思います。重ね重ね、本年もどうぞよろしくお願いいたします。ではまたね。

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