【Wildflowers Letter vol.4】いつの時代も女は

(女性は常に「不在」にされがち)
三島ミホ子 2025.02.08
誰でも

 気づいたら二月になっていて、呼吸をしていたら一週間が過ぎていた。

最近の体調

 さっそく更新がご無沙汰になりましたね。うーん、not計画通り。色々書きたいことはあったのですが、身体がついてこず。でも、なんだか今月はこれから調子が良い気がするので、またポツポツお送りできればと思っています。

 皆さん、体調は崩されていませんか?コロナインフル胃腸炎の流行に加え、この大寒波です。日本海側の大雪も心配です。わたしは、おかげさまで流行り病には一切無縁な生活を送ることができていますが、治療中の鬱でフィジカル面の症状が強く出ているのと、過眠のフェーズに入ったことにより、とにかく寝たきりの毎日でした。朝日記を読み返しても、以前より目が覚める時間も起床する時間もグンと遅くなっていたり、書けない日があったりと調子の悪さが如実に出ていましたね。

 寝過ぎても疲れる、なんて経験は皆さんにもあると思いますが、それのハードver.って感じです。目が覚めた瞬間が一番身体がガチガチバキバキに凝り固まっていて、そこから少しずつ手足を動かしてなんとか血流をよくしようとするのですが、疲労感も半端じゃないので、腕を伸ばすのも大変な気力を要します。そこから1.2時間ほどかけてなんとか立ち上がれそうかな?くらいの状態に持っていき、トイレに行って、ついでに簡易的な食事が取れたら御の字といった具合です。なので、食事が一日一食になることも多く、少し痩せました。お腹は空いているんですけどね、身体が動かないので食べられないという。書いていて、自分が可哀想になってきました。

 でも、睡眠剤を調整することで少し良くなることが最近分かったので、今月はもう少し生活リズムを整えられるんじゃないかなと淡い期待を抱いております。これが冒頭に書いた、今月はこれから調子が良い気がする、の理由です。どうなるでしょうかね。しいたけ占い的には、二月は「楽しく、元気に、無茶をこなしていく!」らしいので、臆することなく予定を入れていこうと思っています。友人たちよ、よろしく頼みますぜ。

ルイーズ・ブルジョア、ロートレックとソフィ・カル

 そんな体調のなか這ってでも行きたかったのが、森美術館で開催されていた『ルイーズ・ブルジョア展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』と三菱一号館美術館で開催されていた『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』。どちらももう会期が終わってしまっているので、ここに書くのもどうなんだろうとは思いますが、感想だけシェアさせていただきやす。

 とにかくどちらにも言えるのは、行けて本当によかった!観たかった企画展に行けずに涙を流していたここ数年だったので、今年は障害者手帳をフル活用していくぞと年始に息巻いたテンションのまま、実行に移すことができていることがまずうれしい。以前は当たり前に一日に何件も用事を詰め込んで都内を飛び回ってスポンジのように吸収していったわたしだけれど、今は一つ一つのありがたみを噛み締めながら味わうようになった。本当は今でも詰め込みたい衝動に駆られることがあるけど、そこは自分のなかで折り合いをつけて調整しないといけないことを理解して、気持ちを落ち着かせてから予定を立てるようにしている。大人の階段を一段登った。

 『ルイーズ・ブルジョア展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』は、本当に素晴らしかったわ。母親が早くに亡くなってしまったことでいつまでも満たされることのなくなった心や父親と愛人に対する消化しきれない感情、絶望、憤怒、それらをさまざまな手法で作品へと昇華させた彼女に大変感銘を受けた。個人的には性愛を嘲笑するかのような作品たちが好きだったな。激情ともいえる熱量の感情を抱えていた彼女が、二十世紀を女性として生きるのは様々な障壁があったんじゃないかと勝手に想像する。それでも手を動かして創作することで素晴らしい作品を生み出し、こうして現代を生きるわたしたちまでエンパワメントしてくれることに勇気をもらった。

それな

それな

 『「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』では、ロートレックの見事な色彩感覚、重力を超越したような軽く、踊っているかのような筆跡に出会うことができたのが大きな収穫だった。特に「彼女たち」シリーズでは、その時代を生きた多種多様な女性たちが描かれていてとても良かった(女性は常に「不在」にされがち)。ルドンの「グラン・ブーケ」に着想を得て製作されたソフィ・カルの作品たちも面白かった。盗まれた絵画の額縁だけを見つける学芸員たちの写真や、作品保護のために紙で覆われている様子を収めた「監禁されたピカソ」を見るに、不在になることはその存在を増すことと同義なんだよなと思ったり。人間関係においてもよく言うよね、いなくなってから気付く、相手の存在の大切さ的なさ…。念願の初・三菱一号館美術館だったのですが、本当に素晴らしい建物で定期的に通いたくなりました。行きたかったcafe1894は貸切で行けなかったので、近日中にリベンジしたい。

ハンサムでイカした女性

ハンサムでイカした女性

女性差別撤廃委員会に連帯を

 本当はもっと時事的なニュースについても取り上げたいのですが、正直世の中で色んなことが起き過ぎて、わたしはちょっと容量オーバー気味になっています。
 そんななかでも共有したいのが、このオンライン署名運動。

 詳しくはリンク先の概要欄を読んでいただきたいのですが、簡単にいうと日本政府は「皇室典範を巡る記述の削除要請に応じなかったことへの抗議」として、国際女性差別撤廃委員会(CEDAW)に対して、以下の措置を講じると発表しました。

①拠出金の使途から同委員会を除外すること
②今年度予定されていたCEDAW委員の訪日を見合わせること

 「世界ではいま、自国中心的な動きが加速し、脆弱な立場に置かれやすい女性やマイノリティの人びとの権利が脅かされています。とりわけドナルド・トランプ氏の米国大統領復帰と共に、米国のみならず世界中の女性や性的マイノリティのSRHRを含む人権を侵害する大統領令が立て続けに発表され、国際的な人権保障の枠組みはかつてない危機に晒されています。」(概要欄より抜粋)

 気になった方はリンク先を確認していただき、署名・拡散していただけるとうれしいです。わたしも署名しました。2月24日で一度締め切られるとのことです。

 じゃあ今回のニュースレターはこんなところで。また〜。

無料で「Wildflowers Letter」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
【Wildflowers Letter vol.19】花と本を心に、町...
誰でも
【Wildflowers Letter vol.18】まだまだケツの青...
誰でも
【Wildflowers Letter vol.17】総じて体力オバケ...
誰でも
【Wildflowers Letter vol.16】ミホ子がやって来...
誰でも
【Wildflowers Letter vol.15】We can f...
誰でも
【Wildflowers Letter vol.14】わたしも飛び立ち...
誰でも
【Wildflowers Letter vol.13】時には昔の話を
誰でも
【Wildflowers Letter vol.12】色々ギリギリな目...